ひと口に「ニキビ」といっても、原因によって種類が異なります。
顔にできる一般的なニキビのほか、背中や身体にできるニキビがあります。また、カビによるものもあります。顔面のかゆみを伴うニキビのなかには、ニキビダニが原因であることもあり、これらは化粧品で皮膚を覆ってしまっているためにできるものもあります。
また、一見ニキビに見えてもそうでないものもあります。男性のひげが生える部分に化膿菌の一種、黄色ブドウ球菌が繁殖することで、ニキビのように見えることがあります。
中高年では、ニキビによく似たもので酒さというものがあります。赤ら顔のようになり血管が浮いているところにできるもので、皮脂腺の異常が原因です。
このように、ニキビかな、と思っても専門的にはニキビではないこともあります。ニキビであっても、原因はさまざまであり、原因を調べるには、顕微鏡検査やカビの検査が必要になることもあります。
ニキビの治療は、抗生物質の塗り薬でよい場合もありますが、患者さまによっては、抗生物質を服用したり、医薬部外品を使うなどをお勧めすることがあります。なかでも、最近よく使われている塗り薬に、「ディフェリンゲル」という毛穴の詰まりを抑えてくれる薬があり、大きな効果を上げています。ただし適切に使わないとトラブルになりやすいので注意が必要です。皮膚科の専門医の説明を受けて正しい使い方をすれば大変効果的な薬です。
保険治療以外でも、ニキビ肌で治りにくい患者さまには、イオン導入でニキビの改善を図る自費の治療などもあります。
ニキビ治療は、万人に効くものはありません。原因や、その患者さまに合った薬や治療方法で行うことが大切です。
最後に、ニキビの予防には、日常生活のなかでストレスを避け、睡眠を充分取ることが大切です。女性の場合、毛穴の負担となるリキッドファンデーションやBBクリームは避けた方がよいでしょう。