乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を正常に保つためのスキンケアは、アトピー性皮膚炎の治療のひとつとされています。また、アトピー性皮膚炎は、症状の改善と悪化をくり返すことがあるため、症状が重いときだけでなく、軽いときにも、スキンケアを行うことが大切です。
スキンケアの基本は、「清潔な皮膚を保つこと」と「保湿で皮膚のうるおいを保つこと」です。アトピー性皮膚炎の炎症部位からは、よく黄色ブドウ球菌という細菌が検出されます。この菌がひっかいてできた傷やバリア機能が低下した皮膚から侵入することがあるので、入浴やシャワーなどで洗い流す必要があります。炎症の引き金となるような刺激物質を洗い流すという意味からも、皮膚を清潔に保つことは重要です。
また、保湿剤は、皮膚の水分が逃げないように“ふた”をしたり、皮膚に水分を与えたりする役割を持っています。健康な皮膚には角層のバリア機能があり、水分の蒸発や外からの刺激を防いでいます。しかし、皮脂、天然保湿因子、角質細胞間脂質といった皮膚のうるおいを保つ物質が不足して皮膚が乾燥した状態(ドライスキン)になると、角層が剥がれてすき間ができ、外からの刺激を受けやすくなったり、体内から水分が出ていきやすくなったりします。健康な皮膚を守るため、季節に関係なく、保湿剤を塗ってスキンケアをしましょう。
「清潔な皮膚を保つこと」「保湿で皮膚のうるおいを保つこと」この2つを正しく行い、皮膚のバリア機能をしっかりと保持しましょう。