「疥癬(かいせん)」とは、「ヒゼンダニ」という小さなダニが人の皮膚に寄生して起こる皮膚病です。疥癬には、「通常疥癬」と呼ばれるものと、より感染力の強い「角化型疥癬」と呼ばれるものとの二種類があります。
主にダニの寄生した部分として、指の間にかゆみを伴う赤いぶつぶつが出てきます。男性の場合は陰嚢に同様の症状がでます。同時にアレルギー反応として、お腹や胸、足や腕などに湿疹のような赤いブツブツがみられます。 どちらも強いかゆみを伴います。
お年寄りや免疫力の低下した方にみられ、灰色~黄白色の厚いカサブタのようなもの(アカが重積したもの)が、手足、おしり、ひじ、ひざ、爪などにみられます。このかさぶたに多数のダニが寄生しているため、強い伝染性があります。
人によって程度や頻度は異なりますが、強いかゆみを感じる場合があります。疥癬が治ったあともかゆみが残ることもあります。
人から人に、また動物から人に、ダニが移動することによってうつります。 通常疥癬では、長時間肌と肌が触れ合うことによってうつることがほとんどです。感染から発症までの潜伏期間はおよそ1~2か月です。 角化型疥癬は感染力が強いため、短時間の接触や寝具及び衣服を介した間接的な接触でもうつることがあります。また、剥がれ落ちたアカが他人に付着することでも感染します。潜伏期間は4~5日です。なお、角化型疥癬の患者さまからうつったとしても、まずは通常疥癬として発症します。
ヒゼンダニを殺すことを目的とした飲み薬や塗り薬で治療します。
イベルメクチン(製品名「ストロメクトール錠」)を1回または2回内服します。
フェノトリンローション(製品名「スミスリンローション」)、イオウ剤、クロタミトンクリーム(製品名「オイラックスクリーム」)、安息香酸ベンジルなどがあります。
抗ヒスタミン薬の飲み薬などを併用し、かゆみを抑えます。
「薬を塗っても治らない」「何度も繰り返す」は皮膚科専門医できちんと診断、しっかり治療しましょう。ビジネス街の中心に位置していることもあり、忙しい患者さまをなるべくお待たせしないよう待ち時間の短縮に日ごろから努めています。